「パワーリフティングのセコンドって何をする人?」「初めての大会、セコンドは必要?」「誰に、何を頼めばいいの?」←このような悩みに、現役選手が実体験で回答します。
こんにちは、ゾノです。
先に結論から。パワーリフティングのセコンドとは、大会当日に選手を「試技だけに集中できる状態」にするためのサポート役です。信頼できる仲間に頼みます。
私は2026年4月の北海道パワーリフティング選手権(第2位/Total 677.5kg)と、6月の北海道クラシックベンチプレス選手権(第4位/BP 160kg)で、同じジムの仲間でありパワーリフティングコーチのTOPRにセコンドをお願いしました。この2大会の実体験をもとに、セコンドに実際何をしてもらったのかを具体的に書きます。なお2026年10月の日本グランプリでも、引き続きセコンドをお願いする予定です。
パワーリフティングのセコンドに頼んだ5つのこと
- ①:大会前の体重管理の補助
- ②:アップ(ウォームアップ)の時間配分
- ③:タンマグ・液体チョークの塗布
- ④:荷物を持っての移動
- ⑤:私を「試技だけに集中」させること
一つずつ、現場のリアルと一緒に解説します。
①:大会前の体重管理
パワーリフティングは体重階級制です。検量をパスしなければ、どれだけ強くても土俵に立てません。減量終盤は頭が働かなくなるので、「あと何グラム落とすか」「検量後に何をどれだけ食べるか」を一緒に管理してくれる存在は、想像の3倍ありがたいです。
②:アップの時間配分
大会のアップ会場は戦場です。限られたラックを複数の選手が共有し、自分の試技の順番から逆算して重量を上げていく。ここの計算を自分でやると、確実に集中力が削られます。声をかけてもらえるだけで、私は目の前のバーベルのことだけ考えられます。
③:タンマグ・液体チョークの塗布
背中に塗るタンマグ(炭酸マグネシウム)は、自分では絶対に塗れません。物理的に手が届かない。地味に見えて、セコンドがいないと成立しない工程の代表です。
④:荷物を持っての移動
ギア、ベルト、シューズ、食料、ドリンク——大会の荷物は遠征バッグ級です。会場内でアップ場と試技場を行き来するたびに自分で全部運んでいたら、それだけで消耗します。
⑤:試技だけに集中させてくれる
①〜④の結果として生まれるのが、これです。セコンドの本質は「作業の代行」ではなく「集中の確保」。当日の私の仕事は「挙げること」だけ。それ以外の全部を預けられる人がいるかどうかで、試技の質が変わります。
セコンドを誰に頼むか。私がTOPRを選んだ理由
理由はシンプルで、日頃から躊躇なくアドバイスをくれる仲間だからです。
普段の練習から「今の、ちょっと浅いです」「バー速度落ちてます」と、私が年上だろうが遠慮なく言ってくれる。この関係性が大会当日に効きます。忖度のない目がそばにあると分かっているから、私は思い切って試技ができる。迷いを消してくれる存在が、プラットフォームの袖にいる安心感は数字に表れます。
パワーリフティングは、第1試技・第2試技・第3試技のたった3本で勝負が決まります。1本目は確実に、2本目は冷静に、3本目は思い切って——この判断を、極度の緊張とアドレナリンの中で自分だけで下すのは至難の業です。だからこそ、外から冷静に重量を見極めてくれるセコンドがいる意味は大きい。「攻める」と「守る」の判断を託せる相手がいたからこそ、私は3本すべてで後悔のない選択ができました。TOPRに依頼して本当によかったと思っています。実際、TOPRがセコンドについた2大会で、私は北海道105kg級2位(Total 677.5kg)とベンチ160kgの結果を出せました。
ベンチ大会では、最後に170kgに挑戦しました。結果は赤ランプ2つの失敗試技。それでも、「ここで170を狙え」と背中を押してくれるセコンドがいたから、迷わず挑めた。一人だったら、確実に安全な重量で丸めていたはずです。届くか分からない重量に手を伸ばせるかどうか——その一歩を作ってくれるのが、セコンドの本当の価値だと思っています。
✓ セコンドをつけた春大会でのデッドリフト260kg成功試技
この260kgのデッドリフトも、大会当日に体重管理・アップの逆算・試技の重量選択まで全部セコンドに預けられたからこそ、最後の1本に集中して挑めた結果です。
ちなみにTOPRのコーチ自身も現役リフターです。競技者としての目を持つ人にサポートしてもらえるのは、それだけで武器になります。
セコンド経験者が始めたコーチング「TOPR」
そのTOPRが最近、パワーリフティングのコーチング「TOPR(Top Performance & Result)」を立ち上げました。現在、無料モニターを募集しています。
私のセコンドとして「選手を強くする視点」を現場で発揮してきた人のコーチングです。躊躇のないフィードバックが欲しい人には、間違いなく合います。興味がある方はInstagramのDMからどうぞ。
まとめ:セコンドは、パワーリフティングの「チーム戦」の証明
パワーリフティングは個人競技に見えて、大会当日は完全にチーム戦です。体重管理、アップの逆算、チョーク、荷物——それらを全部預けて、自分は挙げることだけに集中する。
初めての大会に出る人は、ぜひ信頼できる練習仲間にセコンドをお願いしてみてください。